米中高官が水面下で交渉 貿易戦争回避に向け

 【ワシントン=塩原永久】米紙ウォールストリート・ジャーナルは26日、米政権が決めた中国製品の輸入制限で、米中の政府高官が水面下で交渉に入ったと報じた。ナバロ通商製造政策局長は同日のテレビ番組で、ムニューシン財務長官らが対中交渉を続けていると認め、「中国が(不公正な)取引慣行に対処すると期待している」と述べた。

 同紙は関係者の話として、ムニューシン氏と通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が先週、中国の劉鶴副首相に書簡を送ったと伝えた。ムニューシン氏が訪中することも検討しているという。

 トランプ米政権は中国側に対し、米国から中国市場に輸出される自動車の関税引き下げや、米国製の半導体の購入拡大、金融市場の開放などの要求を伝えた。

 ナバロ氏は26日、米CNBCテレビのインタビューで、ムニューシン氏とライトハイザー氏が「大統領の指示」のもとで対中交渉に携わっていると話した。

 トランプ米政権は23日、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動。22日には中国の知的財産侵害に対する制裁として、中国からの輸入品に25%の追加関税を課す措置を発表していた。