
平成30年の公示地価で、大阪で最高価格となった商業ビル「クリサス心斎橋」=大阪市中央区(須谷友郁撮影)【拡大】
賃料上昇に“悲鳴”も
道頓堀や黒門市場などの観光スポットがあるミナミは、訪日客に特に人気のエリアだ。旺盛な消費や宿泊需要を見込むドラッグストアやホテルの出店競争も地価を押し上げている。
昼夜問わず訪日客でにぎわう心斎橋筋商店街には、全国チェーンのドラッグストアが出そろい、中国語や韓国語が飛び交う。平成16年から西心斎橋に本店を置く関西アーバン銀行の山本浩之常務執行役員は「収益性の高いドラッグストアかカプセルホテル以外では採算が合わないほど、賃料が上昇している」と内情を明かす。
観光庁の調査によると、宿泊施設の平均客室稼働率は大阪府が83.1%で昨年に続き全国トップ。訪日客に日本文化を感じられるサービスを提供する道頓堀ホテル(大阪市中央区)は、年間を通じてほぼ満室状態で、平成28、29年の両年、西心斎橋と恵美須町に新たにホテルを開業した。運営会社の橋本明元専務は「土地を見つけられたのは奇跡。旅行客には、ビルが並ぶキタより大阪らしさを味わえるミナミが人気」と話す。
キタも緩やかに上昇
一方、キタは店舗やオフィス、ホテルと幅広い需要でゆるやかに地価が上昇している。ミナミは訪日客需要で急伸するが、地点ごとではまだ価格差が大きい。
大阪が誘致を進める2025年の国際博覧会(万博)など、観光需要の先行きが今後の不動産価格に影響を与えそうだ。