通販活況で物流需要増 公示地価、工業地2年連続上昇 道路整備で利便性向上

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 主要道路の新規開通などで工業地の全国平均が0.8%のプラスと2年連続で上昇し、地方圏も26年ぶりに上昇に転じた。インターネット通信販売の普及で物流需要が高まる中で、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)などの周辺では、交通結節点として利便性向上が見込まれる地域の地価上昇が目立っている。

 埼玉県の県央部に位置する吉見町。圏央道川島インターチェンジ(IC)から約7キロ、関越自動車道東松山ICから約5キロの城南産業団地にあるのが、物流施設大手プロロジスの賃貸用物流施設「プロロジスパーク吉見」だ。

 延べ床面積約10万5000平方メートルの大型物件は開業の2016年から満床稼働しており、「午前8時から2時間は敷地内の車道に全国からのトラックが列をなす」(管理担当者)。この付近の公示地価の上昇率は3.1%で、埼玉県の工業地平均(3.0%)を上回った。

 工業地の公示地価上昇率全国1位は沖縄県豊見城市(27.4%)、2位は糸満市(11.1%)の臨海部で、ともに国道331号バイパスの4車線化で物流施設需要が高まった。3位の茨城県五霞町も圏央道の開通が上昇要因だ。

 経済産業省によると、16年のネット通販市場規模は物販で8兆43億円と前年より1割以上増加。配送の小口多頻度化が進んだことで、首都圏の大型物流施設の空室率は5%を割り込むほど需要は急増した。特に高速ICやバイパス道路の開通で利便性が向上した工業地は需要増加が顕著だ。

 不動産サービス大手シービーアールイー(CBRE)の高橋加寿子リサーチシニアディレクターは「物流施設は仕分けなどにも人手が必要で、住宅地からの近さも施設の付加価値を高めている」と分析した。(日野稚子)