カジノ法案の与党協議決着で「誘致合戦」過熱か 経済効果に期待も…政府は厳格審査 (1/2ページ)

自民、公明両党が開いたIR実施法案に関する与党協議=3日午後、国会
自民、公明両党が開いたIR実施法案に関する与党協議=3日午後、国会【拡大】

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案に関する与党協議が、日本人客のカジノ入場料を6千円とすることで合意した。IRの誘致には、北海道の3市村や大阪府、愛知県、和歌山県、長崎県などが名乗りを上げており、経済効果を期待する「誘致合戦」が加熱しそうだ。

 与党協議はIR設置箇所数を全国3カ所とするなど全ての協議事項で決着した。政府は与党合意を盛り込んだ実施法案を国会提出し、会期中の成立を目指す。

 大阪府と大阪市は、大阪開催を目指す平成37年の国際博覧会(万博)を前にIRを開業させたい考え。ギャンブル依存症対策などを含む「大阪IR基本構想」を策定中で、30年度の関連予算案は府と市の合計で29年度の倍の約8800万円を計上した。

 北海道は苫小牧、釧路の両市と留寿都村がそれぞれ誘致を展開。愛知県は常滑市の中部空港周辺でIR整備を検討するほか、長崎県も佐世保市の大型リゾート施設「ハウステンボス」への誘致を目指している。

 多くの地域が名乗りをあげている背景には、経済効果がある。日本が成功事例とするシンガポールの場合、2つのIR施設の整備で約1兆円の民間投資が実現し、国際会議場や集客施設などの整備で消費、雇用が拡大した実績がある。

国は厳格運用目指す