【論風】米国はどこに行くのか 拡大する格差と深まる分裂 (1/3ページ)

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 □青山学院大学特別招聘教授・榊原英資

 久しぶりにニューヨークを訪れたが、ニューヨークは数年前とあまり変わっていないように思われた。多様でダイナミックなのだが、東京のように日々変化しているという印象はない。ホテルに泊まって驚くのは、テレビのチャンネルが100以上もあることだ。スペイン語の番組はもとより、日本語のチャンネルもある。まさに人種のるつぼであるニューヨークという街の反映なのだろう。

 多様なコミュニティー

 空港からホテルに送り届けてくれた自動車の運転手はインド系米国人。流暢(りゅうちょう)な英語をしゃべっていたが、友人と少し話させてくれというので聞いていたら、インドの地方の言語。ちなみにインドには、21の公用語があり、原則的に州ごとに言語が異なる。運転手がどの州の言語を話しているのかは分からなかったが、米国に来てもインド人のコミュニティーがそのまま維持されているということなのだ。

 インド人だけではない。ニューヨークには中国系の人たちの中華街、イタリア人たちのイタリアン・クオーターがある。そして日本人のプレゼンスも決して低くない。筆者が宿泊したホテルは日本系のキタノホテル。有名な日本料理店やすし店も少なくない。前述したようにテレビのチャンネルが多いのも、こうした多様性を反映してのことなのだろう。

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