【中国を読む】「ハードウエアのシリコンバレー」へ 深セン、勃興するイノベーション (2/3ページ)

スタートアップが開発したコーヒーをいれるロボット=中国深セン市(光明日報厳聖禾氏提供)
スタートアップが開発したコーヒーをいれるロボット=中国深セン市(光明日報厳聖禾氏提供)【拡大】

  • スタートアップが開発したハイテク製品を体験する人たち=中国深セン市(光明日報厳聖禾氏提供)
  • 丁可氏

 米国のシリコンバレー企業では、ユニコーンへの平均成長年数が6年未満だが、深センの所要年数はその半分のわずか3年弱にすぎない。人工知能(AI)技術をヘルスケアに用いた炭雲智能(iCarbonX)は、深センで創業してから9カ月目でユニコーンに成長しており、世界の最速記録を達成している。

 行政が全面支援

 米シリコンバレーの進化にスタンフォード大学の存在が欠かせないとするなら、深センのイノベーションエコシステムにおいては、地方政府が決定的な役割を果たしているといえる。

 深セン市政府は人材誘致、資金提供、市場創出の面でスタートアップの急成長を支えている。

 深センは経済特区として歴史が浅いため、一流の大学や研究機関は存在しない。そこで深セン市は「孔雀計画」という高度人材の誘致計画を10年に打ち出した。国籍を問わず最も優秀な研究チームには8000万元(約14億円)の資金を支給するほか、個人には80万~150万元の助成金を授与する。

 深セン市はスタートアップに対して資金援助も行っている。通常の補助金以外に、政府引導ファンドを創設し、地元企業を主たる対象にリスクの高いアーリーステージ中心に投資を行う。

 深セン市は、スタートアップ支援の一環として、自らハイテク製品の市場創出にも取り組んでいる。

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