築地市場(東京都中央区)から移転する豊洲市場(江東区)の観光拠点「千客万来施設」の運営事業者「万葉倶楽部」(神奈川県小田原市)は31日、都に2020年東京五輪・パラリンピック後に着工する意思を伝えた。事業実施の可否をこれまで「判断できない」としてきた同社が態度を一変させた形で、都と同社で今後、詳細を詰める。東京五輪までは、都が千客万来の建設予定地に臨時のにぎわい施設を造る。
膠着していた懸案が動き出したことを受けて、小池百合子知事は同日、千客万来施設整備を市場受け入れ条件としてきた江東区の山崎孝明区長と面会、理解を求めた。ただ、新たな計画では着工が大幅に遅れる上、臨時施設などで不透明な部分が多いため、関係者によると、山崎区長は小池氏に賛否を即答せず、周囲に不快感を示しているという。
小池氏は同日、関係局長会議を招集し、関係各所との調整を急ぐよう指示したが、臨時施設の具体案は示されなかった。小池氏は会議終了後、報道陣に「(万葉とは)歩み寄りの中で信頼関係が構築された。豊洲ブランドを一緒に作る心が一致した」と述べた。
関係者によると、小池氏が5月30日、神奈川県内で同社の高橋弘会長と面会し、「万葉への配慮が足りなかった」と陳謝。事業推進に向けた合意に至ったという。