ICTで農業進化 中野のブドウ農家が導入、数値「見える化」で効率アップ 長野 (1/3ページ)

中野市のブドウ農家が導入した「農業IoT」。カメラは360度動くようになっている
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 情報通信技術(ICT)を農業に導入する動きが本格化してきている。長野県中野市のブドウ農家は4月から、農業ハウスの温度や湿度などがスマートフォンで瞬時に確認できるシステムを導入した。経験と勘を頼りに農作物を育ててきたこれまでの農作業を改め、数値を「見える化」することで、作業の効率化を図る狙いがある。農業の担い手不足が深刻化する中、後継者の育成につながるとも期待される。県など農業関係者は、生産性をさらに向上させるため、同様のシステムの活用を検討している。(久保まりな)

 ■「身体が楽に」

 中野市のブドウ農家が取り入れたICTは、農業ハウスに無線LAN「Wi-Fi」を敷き、温度や湿度のほか、日射量、土壌水分量を測るセンサーを設置。センサーで得られたデータをスマートフォンで見られる仕組みだ。NTT東日本が開発した「お手軽なIoTパッケージサービス(農業IoT)」を導入したという。

 360度見渡せるカメラで、農作物の状況を動画で確認できる上、温度などが一定の数値を超えるとアラームが鳴るといい、わざわざハウスに出向き、農作物の生育状況をチェックする必要もない。カメラは、人の動きを自動追尾するため、盗難防止にも役立つ。

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