ところが5月中旬、労組破壊行為をしたとして、検察当局はサムスン電子子会社の専務を逮捕した。現地報道によれば、この子会社には、業者との癒着が指摘されている。秉●(=吉を2つヨコに並べる)氏の孫でサムスングループの経営トップ、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は、朴前大統領側への贈賄罪などで2月に執行猶予付き判決を受けたばかりだ。
サムスン電子は、子会社の非正規従業員を正社員として採用する計画を発表するなど、火消しに躍起だが、労組をめぐるトラブルが長期化すれば、ブランドイメージの毀損(きそん)につながりかねない。
韓国では、経営者側と労組との対立が企業の業績悪化を招く先例がある。
現代自では、賃金交渉が泥沼化して労組がストライキを決行し、国内生産に打撃を与えている。16年9~10月のストでは、現代自の約14万台の生産に影響し、売上損失は約3兆ウォン(約3000億円)超に達した。
現代自の経営者側には、設備投資や人員配置について労組側の同意が事実上必要となっているほか、雇用安定のための国内生産量の維持が求められているという。朝鮮日報によると、13年度の現代自の平均年収はトヨタ自動車を上回った。現代自の労組組員は、国民から“労働貴族”と揶揄(やゆ)されている。