これに関して、トランプ氏は5日、約160億ドル分の準備を「2週間内にも」終えると指摘。最終的な制裁対象の総額について「500億ドルに2千億ドルを足して、さらに3千億ドルだ」と述べ、計5500億ドルまで上積みする考えを示した。
一方、中国国務院(政府)は6日、米国の追加関税に対抗し、農産物など545品目、340億ドル相当の米国製品に対する25%の追加関税措置を発動する。
中国による報復関税の対象には米国産の牛肉や豚肉、大豆、小麦などの農産物やエビ、ウナギ、タラなどの水産物、自動車などが含まれる。トランプ大統領と与党・共和党の支持基盤である産業を狙い撃ちにする意図もうかがえる。
中国当局は各国に対して「保護主義と一国主義への反対に向けた共同行動」(高峰商務省報道官)を呼びかけており、国際社会を巻き込みながら米国に対抗する構えだ。
両国は一歩も引かない姿勢で、一方の報復が相手方の報復を招く貿易戦争に陥る可能性が高まった。世界経済の牽引役となる貿易の混乱は避けられない。(ワシントン 塩原永久、北京 西見由章)