
東京電力が廃炉方針を表明した福島県富岡町と楢葉町にまたがる福島第2原発=6月22日【拡大】
県の統計によると、2016年度までに2種類の交付金だけで少なくとも富岡町に約144億円、楢葉町に約109億円が支給された。現在、主に受け取っている交付金は廃炉が決まった次年度からゼロとなる。緩和措置としての別の交付金も10年間で段階的に減らされる。復興関連の交付金もいつまで続くか見通せない中で、楢葉町の担当者は「原発がないと税収が賄えるか分からない」と嘆いた。
税収・雇用の担い手
「将来、町で若者が働く場所があるのか」。東電から第2原発の廃炉方針が公表されると、2町では心配の声が相次いだ。ある町関係者は「これが本音なんだよ。原発が地域経済を回してきたんだ」とこぼした。
廃炉には約30年かかるため、当面の間は一定の雇用が見込めるが、問題はその後だ。
2町とも第2原発に代わる産業創出に取り組む姿勢で、国や東電に支援を求めている。しかし、長年続けてきた原発との共存から抜本的に抜け出すのは簡単ではない。楢葉町の松本幸英町長は苦しい胸の内を吐露した。「原子力は巨大産業だ。一つの町が原発に代わる新たな産業を示すのは難しい」