6月20日までだった国会の会期を1カ月以上延長したのも、公明党が来年春の統一地方選、同年夏の参院選への悪影響を懸念し「法案処理は確実に今国会で終えてほしい」と求めたからだ。
公明党の西田実仁参院幹事長は15日のNHK番組で、同党が採決の前提としたギャンブル依存症対策基本法が成立したことを踏まえ、IR実施法案の今国会成立に理解を示した。
国会末に野党が抵抗手段として内閣不信任決議案を提出するのは恒例となっている。ただ、今回提出された場合も否決されるのは確実で、与党は平日最後となる20日の参院本会議を「徹夜国会」としてでも確実に成立させる方針だ。
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立憲民主党や国民民主党などの主要野党はIR実施法案の成立阻止を目指し、内閣不信任決議案提出のタイミングを探りながら徹底抗戦を貫く構えだ。
立憲民主党の蓮舫副代表、自由党の森裕子参院会長ら野党幹部は15日のNHK番組で、西日本豪雨を引き合いに、IR実施法案成立を急ぐ与党を牽制(けんせい)した。
蓮舫氏「『ギャンブル法案』を災害復旧の最中に強行採決するのは絶対にやめていただきたい!」
森氏「災害対応を最優先すべき石井啓一国土交通相が『カジノ大臣』としてカジノの審議を優先している。おかしいではないか」
主要野党は、法案担当の石井氏は災害対応に専念すべきだと訴え、法案を審議する参院内閣委員会の開催自体に強く反発している。衆院に舞台を移した参院定数を6増する公職選挙法改正案にも反対で足並みをそろえるが、あくまで「本丸はIR実施法案」(立憲民主党参院幹部)だ。