【中国を読む】社会や消費市場が一気に変貌 「生活の質」向上求め事業機会の増加に期待 (3/3ページ)

サッカーワールドカップの試合を観戦する中国の若者
サッカーワールドカップの試合を観戦する中国の若者【拡大】

 進化が続く市場

 中国のモバイルインターネットサービスは進化を続けている。爆発的に普及した各種アプリの使い勝手(ユーザーインターフェース)は日々改善している。消費者も「安かろう、悪かろう」からは距離を置き、「より良いもの」を求めるようになっている。ヘルスケア、スマートホーム、スマート自動車、教育など、新たな分野のサービスも登場しつつある。

 これまでは、さまざまなものを貪欲に手に入れることが「豊かさ」の実感につながった。中国の消費者も「量」を求めることでは満足しなくなり、「質」を求めるようになった。

 消費者の身の回りに「諦めかけている不便、不満」はまだまだ多い。こうした点を改善し「心地よさ」をもたらす商品・サービスが求められる。身の回りの「不便・不満」を解消し、「生活の質の向上」を実感させてくれる商品・サービスに関して、中国消費者の日本企業に対する評価や期待は高い。

【プロフィル】川嶋一郎

 かわしま・いちろう 早大一文卒。1991年台湾淡江大法学修士。92年野村総合研究所入社、野村総研(上海)社長を経て、2018年4月から清華大学・野村総研中国研究センター理事・副センター長。54歳。静岡県出身。