
炎天下の中、皇居周辺を走るランナーら。東京五輪では出場選手や観客らの熱中症発症が懸念されるため、夏の時間を2時間繰り上げるサマータイム導入の検討が始まった=5日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)【拡大】
サマータイムは、昭和23年、電力不足の深刻化などを受けて連合国軍総司令部(GHQ)の指示で導入されたが、定着しないまま4年後に廃止された。
その後も、地球温暖化や節電対策として国会で何度も議論されたが、労働組合が「労働強化となる」と反発した上、産業界もシステム変更などの導入コストを念頭に難色を示したため、頓挫してきた。
だが、五輪だけでなく、通勤・通学の酷暑対策としてサマータイムは切り札となる。先の国会で働き方改革関連法が成立し、残業規制が強化されたことも成立に追い風となりえる。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、サマータイム導入で、個人消費が押し上げられ、年間7千億円の経済効果があると試算している。