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トランプ式貿易戦争、破壊力は? 自動車関税など発動なら“大恐慌”匹敵か (2/3ページ)

 「まやかし貿易戦争」

 米国と各国との貿易摩擦について、当初は「まやかしの貿易戦争」(エコノミスト)などと冷ややかな見方もあった。トランプ米大統領が有権者向けにアピールするための、見せかけの強硬策だとの認識が、そうした見方の背景にある。

 実際、30年代の貿易戦争と比較すると、当時には及ばない米政権の関税措置の性格が浮かび上がる。

 ピーターソン国際経済研究所の専門家、チャド・ボーン氏とダートマス大学のダグラス・アーウィン教授の試算によると、米政権が実施した(1)太陽光パネル・洗濯機の追加関税(2)鉄鋼・アルミ輸入制限(3)340億ドル分の中国製品に対する対中制裁-で関税が適用された対象額は計約920億ドルと、昨年の米輸入額の約4%に相当する規模だった。

 一方、スムート・ホーリー法で関税対象となったのは、当時の米輸入額のほぼ3分の1に相当する規模だったという。

 また、80年代初期、レーガン政権下で鉄鋼や自動車などへの保護主義的な措置が採られた際には、何らかの貿易制限の対象となった製品の全輸入額に対する比率が「75年の8%から84年に21%へと上昇した」(アーウィン氏)という。

 もっとも、トランプ政権が検討中の(1)対中制裁を拡大し、対象額を合計2500億ドルとする案(2)自動車・部品に追加関税を課す輸入制限-がともに実施された場合、「輸入の約25%に輸入制限が適用される」(ボーン氏)計算だという。

 輸入制限は関税や輸入割当(クオータ)などの態様や関税比率、対象品の規模や適用期間など、比較の際に考慮すべき要素が多い。歴史上のケースと現代とで単純な比較はできない。

 ただ、トランプ大統領が検討中の強硬策をすべて実施すれば、輸入額に対する対象品の規模の点で、歴史的な保護主義政策と肩を並べることになる。

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