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トランプ式貿易戦争、破壊力は? 自動車関税など発動なら“大恐慌”匹敵か (3/3ページ)

 緊密化した貿易へ打撃

 貿易が主要議題となった7月21~22日の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、IMFのラガルド専務理事は「世界経済の短期リスクは貿易摩擦によって増大した」と指摘した。通商対立が予想を超えた悪影響をもたらす恐れがあるためだ。

 特に自動車や電機・機械などの製造業では、近年、国際的なサイプライチェーン(部品の供給・調達網)が発達し、輸入制限が調達網に打撃を与える懸念がある。自動車部品では、完成車ができるまで国境を数回またぐのが通例で、そのたびに関税が課されればコスト増要因となる。

 メーカーにとって、部品の調達先の変更は容易ではない。品質テストや輸送手段の検証、契約の調整などに「最低でも半年以上を要する」(米メーカー)といい、米輸入制限の拡大は当面は販売価格の値上げに直結する可能性が高い。

 IMFの試算では、米国が自動車・部品など検討中の輸入制限を実施すれば、世界経済の成長率を0.5%押し下げる。企業が設備投資を先送りしたり、中止したりする影響が大きいとみられ、今後、メーカーが投資計画の下方修正に動き出した場合、投資を重要な「成長エンジン」とする世界の景気を、どの程度、下押しするのか計り知れない怖さがある。

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