眠らせ、水なし…技術が進化 活魚輸送、消費増へあの手この手 (2/2ページ)

日建リース工業が開発した「魚活ボックス」
日建リース工業が開発した「魚活ボックス」【拡大】

  • 積水化成品工業などが開発した「水なし活ヒラメ輸送魚函」

 産地発の動きも進む。高知県室戸市の漁師、松尾拓哉さんはキンメダイやアカムツの活魚での流通を目指し、3月に東京へ試験的に運んだ。取った魚を漁船に置いた水槽に入れるなど、工夫を重ねた。沖縄県はヤイトハタの水なし輸送を実現し、同県伊平屋村の漁協が活用している。

 16年度の1人当たりの魚介類消費量は24.6キロで、ピークの01年度から4割近くも減っている。一方で17年度の東京都中央卸売市場の活魚取扱高は約215億円で、ここ10年は増加傾向にある。活魚流通の裾野を広げれば、消費が一段と増加する可能性がある。

 活魚販売を手掛ける東京都東村山市の「ふぃっしゅいんてりあ」は、安価で設置できる簡易ないけす「魚樽ふぃっしゅ」の導入を飲食店に提案している。林剛生社長は「網にかかった魚を生かした状態で管理して届けるには手間が掛かる」とし、流通を活発化させるには漁業者の協力も必要と指摘した。