
自民党総裁選への出馬を表明する安倍晋三首相。後方は桜島=26日午後、鹿児島県垂水市(奥清博撮影)【拡大】
いずれ来る総裁選に向けて、公職として地方行脚できることは非常に有利であり、当時外務大臣に留任した岸田氏などは、ほぞをかんだとも言われる。ただ、これが落とし穴だった。いわゆる「増田リポート」が出て、消滅可能性都市という人口減による地方消滅論が盛り上がる中、石破氏は、目に見える成果を残せなかった。これでは各地で「安倍より石破の方がよい」という機運を醸成するのは困難であろう。
何も石破氏を非難しているわけではない。誰がやっても、短期的に地方創生で成果を出すことは難しい。古くは、1970年代の田中角栄内閣の日本列島改造や80年代の竹下登内閣のふるさと創生などが典型だが、日本の地方創生は、東京一極集中をどう是正するか、という大テーマの下、予算の地域への振り向けが中心であったが、原資が豊かな時代ですら、あまりうまくいかなかった。
こうした反省も踏まえ、石破氏は、新たな交付金制度の創設など、これまで同様の予算の地域展開だけでなく、アクティブシニアを地域に移しての新たなコミュニティーの創設(CCRC)、新たな旅行商品や地域産品創出を図る地域商社的組織の構築(DMO)、ビッグデータを地域活性に活用するシステムづくり(RESAS)など、矢継ぎ早に色々な手を打った。その後の地方創生担当大臣は、一般には名前すら知られていないが、彼らのパフォーマンスと比べれば、石破氏の功績は一目瞭然だ。