【論風】米大統領に翻弄される原油価格 上下に圧力、先行き不透明に (1/3ページ)

日本エネルギー経済研究所常務理事の小山堅氏
日本エネルギー経済研究所常務理事の小山堅氏【拡大】

 2014年後半からの原油価格低迷は、昨年から始まった石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどによる協調減産の下で潮目が変わり、本年の原油価格は米国産標準油種(WTI)で基本的に1バレル=70ドル前後の推移が続いている。(日本エネルギー経済研究所常務理事・小山堅)

 原油価格は、需給・地政学リスク・金融要因によって変動を繰り返してきた。今後も油価の展開には予断は許されない。トランプ米大統領の政策に起因する大きな不確実性が2つ存在し、それらが正反対の方向に油価を動かすべく、せめぎ合っているからである。

 イラン制裁第2弾

 その一つが米国のイラン核合意からの離脱である。5月にトランプ大統領は離脱を表明、8月には米国の対イラン経済制裁の一部が復活した。11月には、制裁の「本丸」、イラン石油部門への制裁が復活する。イランは日量約250万バレルの石油を輸出している。米国は、イラン原油主要引き取り国に対して、引き取り停止(ゼロ)を要求している。イラン原油の最大の輸入国、中国は輸入を継続する姿勢を示しているが、米国の強硬姿勢を前に中国の、そして他の主要輸入国の引き取りが実際にどうなるか、先を読むことは難しい。

 イランの石油輸出が大幅に低下する場合、それを補填(ほてん)するためサウジアラビアなど余剰生産能力を持つ産油国が増産することになる。また、米国のシェールオイルも70ドル前後の油価に刺激され、増産が続く。

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