与党内で異論、くすぶる在留資格新設 法案提出に遅れも (1/2ページ)

外国人労働者の受け入れ拡大について関係団体からヒアリングした自民党法務部会の関係者ら=23日午後、東京・永田町の自民党本部
外国人労働者の受け入れ拡大について関係団体からヒアリングした自民党法務部会の関係者ら=23日午後、東京・永田町の自民党本部【拡大】

 自民党は23日、党本部で法務部会を開き、外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を設ける出入国管理法改正案について関係団体からヒアリングを行った。人手不足に直面する各団体が受け入れを求めたのに対し、出席議員からは日本人の待遇や社会保障への影響、受け入れ態勢の不備などを指摘する意見が相次いだ。政府は臨時国会で改正案を成立させる考えだが、公明党からも慎重論が出ており、国会提出が遅れる可能性がある。

 「東日本大震災後、人手不足が続き、若年層の確保に苦労している」(日本建設業連合会)

 「介護保険制度を持続可能なものにするのに人材不足が足かせだ」(全国老人福祉施設協議会)

 自民党の法務部会では、建設や農業など団体の代表者が口々に受け入れ拡大と自らの業界への適用を求めた。政府は、外食や宿泊なども含め要望のあった14業種での適用を検討している。

 ただ、議員からは改正案への反対や慎重な議論を求める声が相次いだ。

 青山繁晴参院議員は、外国人の採用で日本人の給料や待遇の改善に影響することや仕事がなくなった場合に不法滞在につながる恐れに触れ、「制度設計が未成熟だ。対策がとれておらず反対だ」と批判した。

 小林鷹之衆院議員は「将来、労働力が余れば外国人と日本人が仕事を奪い合う事態になる。永住した場合の医療や介護などのコストをどう見積もっているのか」と疑問を投げかけた。

 政府は臨時国会で改正案を成立させ、来年4月から新たな在留資格の運用を始める青写真を描く。

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