【高論卓説】製造強国への転換目指す中国 ハイテク覇権握る米国、日本抱き込み阻止 (1/2ページ)

 世界の工場である中国。しかし、その実態は脆弱(ぜいじゃく)であり、いまだ組立工場から脱却できていないのが現実である。特に半導体分野でそれが顕著であり、世界の6割近い半導体を消費する中国であるが、その8割弱を輸入に頼る構造になっている。だからこそ、習近平国家主席は自らの肝煎り政策「中国製造2025」で半導体を中核事業とし、2014年に立ち上げた国家集成電路(集積回路、IC)産業投資基金に18兆円もの巨額な資金をつぎ込み、国策事業として3社が半導体生産工場を造り始めた。

 その3社は、09年に破綻したドイツの半導体大手キマンダを継承した紫光集団(ユニグループ)配下の長江ストレージ、台湾聯華電子(UMC)と技術提携している晋華集成電路(JHICC)、米マイクロン・テクノロジー傘下、台湾華亜科技(イノテラ・メモリーズ)の技術者を大量に引き抜いてつくられたRuiLiである。

 マイクロンは昨年、RuiLiおよびUMCとJHICCに対して技術流出の容疑で訴訟を起こした。本来、どちらの企業も「DRAM」(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)を生産したことがなく、技術を持っているわけがないからである。

 それに対して今年1月、UMCは中国国内で特許侵害の疑いでマイクロンを提訴。8月には福州市中級人民法院がマイクロンに対して、DRAMや、スマートフォンやデータセンターのデータ保存に使う「NAND型フラッシュメモリー」などの生産・販売差し止めを命じた。マイクロンの売上高の51%は中国向けであり、これはマイクロンにとっての死活問題である。また、ハイテク分野の維持に必死な米国政府にとっても、許しがたい事態であるといえる。

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