【安倍政権考】荒れる好漁場「大和堆」、日韓漁船がトラブル 背景に暫定水域 (3/3ページ)

衝突した韓国漁船(左手前)と救助に向かった海上保安庁の巡視船「ぶこう」搭載の救難艇(右)=11月15日、能登半島沖の大和堆周辺(第9管区海上保安本部提供)
衝突した韓国漁船(左手前)と救助に向かった海上保安庁の巡視船「ぶこう」搭載の救難艇(右)=11月15日、能登半島沖の大和堆周辺(第9管区海上保安本部提供)【拡大】

  • 韓国漁船のベトナム人乗組員2人を救助し、搬送する巡視船「ぶこう」搭載の救難艇=11月15日、能登半島沖の大和堆周辺(第9管区海上保安本部提供)

 問題の「暫定水域」は、平成11年に発効した新たな日韓漁業協定で設けられたものだ。協定では、竹島周辺は韓国が領有権を主張しており、操業条件の設定や違法操業の取り締まりができるEEZの境界が決められず、周辺海域を暫定水域に指定。両国がそれぞれのルールに従って操業できるよう取り決めた。

 背景には、両国の境界線の画定には時間がかかるとの判断がある。両国は「日韓漁業共同委員会」を設け、漁業資源などを共同管理することも決めた。

 ただ共同管理とは名ばかり。日本政府関係者によると、暫定水域の竹島周辺では主に韓国の漁業者が操業し、日本の漁業者に漁場を譲らないといったトラブルが起きている。放置された漁具が網に絡まったりするケースも相次いでいるという。

 漁業活動を安全に行うためのルールづくりが求められるが、そのためのやりとりは「基本的に漁業者任せ」(別の政府関係者)になっているのが現状だ。北朝鮮の違法操業などを排除する取り組みの強化はもちろんだが、日韓政府は早急に暫定水域の取り決めの交渉にも本格的に乗り出す必要がある。

(政治部 中村智隆)