視点

中国の宇宙開発 対米国ラウンドのゴングが鳴った (2/3ページ)

 こうした月面探査競争で、最終的な勝利を得たのは、米国の側だった。69年7月、アポロ11号による史上初の人類月着陸が決定的な一撃となったのだ。

 月面探査でしのぎを削った米ソのライバル関係は、宇宙開発をめぐる日本と中国のこれまでにも通じるものがある。

 人工衛星の打ち上げでは、日本の「おおすみ」が、中国の「東方紅」より2カ月早い70年2月に成功している。

 月探査では、日本の探査衛星「かぐや」が、中国の探査衛星「嫦娥1号」より1カ月早い2007年10月に、月の周回軌道に入っている。

 かぐやの後継機は、まだ飛んでいないのに対し、中国の嫦娥は2号(10年)、3号(13年)と回を重ね、今回の4号の月の裏側着陸につながった。

 4号を、3号と同じ表側に降ろせば二番煎じにすぎないが、裏側への着陸で世界初の記録を宇宙開発史に刻んだのだ。

 中国は月探査で日本に水を大きくあけたが、すでに独自の有人宇宙飛行とカーナビなどに使われる衛星利用測位システム(GPS)においても凌駕(りょうが)している。

 中国のGPS「北斗」について中国政府は、昨年12月27日に全世界に向けた運用開始を発表している。北斗は、米国のGPSに対抗するシステムで、計画を約1年、前倒しにしてのスタートなのだ。

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