【専欄】ブルース・ウィリスも出演…ファン・ビンビンと「越境した」抗日映画 (1/2ページ)

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 一連の范氷氷(ファン・ビンビン)事件で最も謎なのは、告発された「陰陽契約」の舞台、つまり4日で6000万元(約9億7400万円)が支払われたという作品は何か、という点である。あらゆる情報が暴露される中国のネットでも、作品名は特定されていない。(ノンフィクション作家・青樹明子)

 しかし、ファンさんの脱税事件を取り調べた当局が発表したのは、2018年10月に公開予定だった映画「大爆撃」である。この作品において、出演料3000万元のうち1000万元しか申告せず、730万元を脱税したと公にした。

 告発された陰陽契約書での数字とは微妙に差があるが、脱税事件の裏に「大爆撃」があったというのは驚いた。何かと話題に事欠かない「抗日ドラマ」だが、これだけスキャンダルにまみれた作品はまれだろう。

 「大爆撃」は製作当初から、私も注目していた。越境した抗日ドラマ第1号だったからである。舞台は日中戦争さなかの重慶で、日本軍の爆撃と戦う中国人パイロットと、彼らの育成に協力した米国人志願兵が中心に描かれている。これまでの抗日と異なるのは、中国だけではなく、米国人も「ともに抗日」したという点だ。この米国人教官役を演じるのが、ハリウッドスターのブルース・ウィリス氏である。

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