
メルシャンが発売するチリ産ワインの新商品【拡大】
そう懸念を強める背景には、ワインの税率が上がる一方で、チューハイやハイボールの税率は2026年10月まで据え置かれ、ビールや日本酒に至っては税率が引き下げられる。こうした“競合酒類”が有利になる条件が整うことで、「消費者がワインから流出する」(洋酒輸入業界)と考えられるからだ。実際、近年はビール系飲料の出荷額が2017年までに13年連続で減少するなか、缶チューハイは高アルコール商品などが好調で販売が伸びている。
単なる価格戦略だけでは市場開拓が難しいワイン市場。恩恵が失われる中、どのように市場開拓を目指すのか。チリ産だけでなく、欧州産、さらには日本産も含めた大きな課題なのかもしれない。(西村利也)