「一時しのぎ」になるのか
習指導部にとり、自動車産業の大幅な悪化は看過できない問題とみられる。自動車は産業の裾野が広く、習指導部が最重要視する雇用など経済への影響が大きいためだ。
自動車業界が呈している惨状を前に、習指導部は再び政府主導の景気刺激策に乗り出そうとしている。
「自動車や家電などの消費を促す措置を講じる」
中国のニュースサイト「中国新聞網」によると、国家発展改革委員会の寧吉●(=吉を2つヨコに並べる)副主任は8日、需要テコ入れのための景気対策の実施方針を示した。マーケット関係者の間では、景気刺激策の内容が早くも取り沙汰されているが、景気刺激策に対してはかねてより「一時しのぎ」(ロイター通信)という批判的な見方が根強い。
また、景気刺激策が製造業の構造改革を後退させるという指摘もある。中国では地場の自動車メーカーが乱立状態にあるが、今回の未曾有の業界不振で「ゾンビメーカー」の淘汰(とうた)など適正規模への集約化が期待できたためだ。第一汽車の奚氏も「『適者生存、不適者淘汰』はこの時期における強いトーンになるだろう」と述べている。
貿易戦争で景気の先行きが見通せなくなる中、習指導部はアクセルとブレーキを同時に踏むような難しい経済運営を迫られている。(三塚聖平)