【経済インサイド】“反増税”の急先鋒が官邸去る 「三度目の正直」確実か (2/3ページ)

藤井聡内閣官房参与(寺河内美奈撮影)
藤井聡内閣官房参与(寺河内美奈撮影)【拡大】

 政府の試算によると、「負担増」は、消費税率を8%から10%へ引き上げた分の5兆7000億円と、軽減税率制度の財源を補うためのたばこ税増税などによる6000億円を合わせ計6兆3000億円となる。

 これに対し「負担減」は、19年度予算案に盛り込んだポイント還元などの景気対策が2兆円、住宅ローン減税の拡充などが3000億円、幼児教育無償化で家計が助かる分などが3兆2000億、軽減税率制度の実施の影響が1兆1000億円。合計額は6兆6000億円に達し、「負担増」をほぼ相殺できるとした。

 ただ、藤井氏はこの考え方について、「学術的には正当化できない」とする。

 藤井氏によると、政府がそれぞれの家計に直接「支給」する政策として、幼児教育無償化、ポイント還元などがあり、合計で3兆5000億円に上る。だが、家計が支給を受けても全てを使うことはなく、いくらか貯金に回すことが想定される。仮に半分しか使わないとしたら、使われる額は1兆7500億円。つまり、政府が3兆5000億円の支出を行っても、1兆7500億円の経済効果しかないことになる。貯蓄に回される残り1兆7500億円分だけ、経済効果は政府の想定より下回ることになる。

 三度目の正直

 また、藤井氏は消費者の心理にも注目する。今回の税率は「10%」とキリが良い数字のため、消費者は買い物のさい、総額でいくら払わなければならないかを簡単に計算できるようになる。消費者に関する心理学によると、税金は分かりやすいほど消費への判断や決定への影響が大きくなることから、「10%」というキリのいい税率なら、消費者は政府の想定より消費を抑えるようになり、経済効果は1兆~2兆円、下押しされるという。

 これらを合わせると国内総生産(GDP)は4兆~6兆円減ることになり、政府の対策だけではとうてい足りないというわけだ。

 しかし、こうした意見を持つ藤井氏が官邸を去ったことで、「政府は現在、打ち出している景気対策とセットで、あくまで増税を進めるだろう」との観測が強まった。

冷静に考えれば