問われる日本の脱炭素戦略 世界で強まる潮流 石炭火力固執なら批判も (2/3ページ)

仙台港で運転する石炭火力発電所「仙台パワーステーション」=2018年1月、仙台市宮城野区
仙台港で運転する石炭火力発電所「仙台パワーステーション」=2018年1月、仙台市宮城野区【拡大】

 経済界の一部には、国内で石炭火力発電所の利用を続け、電力需要が伸びる発展途上国に輸出したい思惑がある。戦略の内容次第で、G20会合でやり玉に挙げられたり、意欲的な合意の妨げになったりしかねない。

 廃絶へ異例の勧告

 温暖化は深刻だ。世界気象機関(WMO)によると、観測史上気温が高かった上位20の年は過去22年間に集中し、15~18年は1~4位に入る。

 20年に始まるパリ協定は温暖化の大きな被害を避けるため今世紀後半に温室効果ガス排出を実質ゼロにし、産業革命前と比べた気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。気温は既に1度程度上がったとみられ、今のペースなら3度以上高くなると指摘される。

 強い危機感を背景に英国とカナダは石炭火力の廃絶を決め、ドイツ政府の諮問委員会も38年までの全廃を求めた。今年2月には国連の子どもの権利委員会が日本に対し、世界の子供の健康や適切な生活水準を守るため、二酸化炭素(CO2)排出を減らし、他国の石炭火力を支援する政策も見直すよう求める異例の勧告を公表した。

 化石燃料に依存する企業から投融資を引き揚げるダイベストメントの動きも世界で加速する。環境保護団体の集計では、引き揚げを決めた機関投資家などの運用資産総額は昨年12月、8兆ドル(約880兆円)に達した。

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