ビジネス解読

中国からの観光客激減で韓国経済が大打撃 終わらない「THAAD」“報復” (2/3ページ)

 爆買いの穴埋まらず

 韓国政府としても過度に高かった中国依存度を減らす努力を続け、東南アジアや中東などから観光客を誘致。文化体育観光部によると、18年の訪韓外国人観光客は約1500万人で、THAAD報復以前の90%水準にまで回復した。

 専門家らは市場の多角化政策が一定の成果を上げていると評価する一方、最近2年間で韓国訪問が増えた外国人観光客の消費額が少ないことを問題視する。観光客相手の現場では売り上げが増えておらず、回復の実感がまったくないようだ。

 韓国政府が昨年発表した訪韓外国人観光客1人当たりの支出経費は、平均1482ドル(約16万3000円)。中国、ロシアなどの観光客が平均1700~2232ドルを使う“太っ腹”だったのに対し、韓国訪問が増えたタイやマレーシア、フィリピンなど東南アジアの観光客は同1100ドルに満たない。東南アジアからの観光客が増えたものの、「(中国人観光客の)買い物額は比較できないほどなので大して役に立たない」と店主らは一様に厳しい見方を示す。消えた“爆買い”の穴は埋まらない。

 企業活動に悪影響

 さらに深刻なのは、中国で韓国の存在感が薄れ始めていることだ。韓流の制限で、魅力を高めるのに一役買った韓国ドラマは中国のテレビから姿を消し、韓国の有名芸能人が出演する商業広告もなくなった。韓国ポップスターの公演も中断されたままだ。

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