消費者への影響が大きいとの観点から、第3弾までの制裁措置で対象外とされたスマホなどの電子機器も第4弾では追加関税が課されるとみられる。第4弾が実施されれば、米国は中国からの全ての輸入品に25%の高関税を課すことになり、米中双方の経済への影響は格段と大きくなると想定される。
USTRは関税発動に必要な行政手続きとして、産業界などから意見を聴く公聴会を6月17日に開き、書面による意見を受け付ける期限を同24日に設定した。
USTRは、一部の医薬品や、リチウムイオン蓄電池などに用いられるレアアース(希土類)といった中国に調達を頼っている原材料については、追加関税の対象外とした。(ワシントン 塩原永久)
◇
【用語解説】米通商法301条
貿易相手国の不公正な取引慣行に対して関税引き上げなどの制裁を認めた米通商法の条項。1974年に制定された。相手国に市場開放を迫る「伝家の宝刀」とされ、80年代の日米貿易摩擦では米国がこれに基づく制裁をかざして日本に輸出制限や市場開放を迫った。トランプ政権の対中制裁措置はこの条項に基づいて発動してきた。一方、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限は、安全保障上の脅威を理由として制裁を発動できる通商拡大法232条を根拠としている。(共同)