一方、原田氏は22日、長崎市内で講演し、銀行の経営悪化は日銀の大規模緩和の副作用が原因との指摘に対し、「日本経済全体の回復が銀行経営にプラスの影響を与えていることを無視している」と反論した。
原田氏は、国内銀行の貸し出しは日銀が13年4月に大規模緩和を導入してから今年2月までの間に71兆円増えたが、預金は倍以上の144兆円も増加したと指摘。経営悪化は「貸出先がないのに預金が集まってしまう構造問題」で、資金運用に行き詰まる銀行が増えたためだと理解を求めた。
ただ、経営努力を求める日銀に対し、銀行業界では「人ごとのようなことを言わないでほしい」(大手地銀幹部)と不満が漏れる。
地銀は貸し出し競争の激化でリスクに比べ金利が低い「低採算先」への貸し出しを増やしており、経済情勢が悪化すれば大きな損失が出そうだ。日銀の試算では企業の資金需要が今後も低下すれば23年度には地銀の2割、28年度には6割が最終赤字に陥る。景気の先行きが不透明になり、地銀の経営環境はますます厳しくなる。(田辺裕晶)