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中国・高考カンニングで7年の実刑に 若者たちの心を確実にむしばむ勉強地獄 (2/3ページ)

 不正がなくならないのは、試験そのものが不公平だという不満があるからだ。出生地によって合格ラインに差が生じるし、試験問題ですら地域によって難易度が違う。その差は「ハッピー式」「悪夢式」「地獄式」と名付けられ、地獄エリアからハッピーエリアへ引っ越しするケースも続出している。

 地獄式の上位にランクインしているのが江蘇省である。昨年も高考終了直後から、受験生の悲鳴が上がった。「英語の問題は、1.6メートルもあった。まるで『清明上河図(北宋の都開封を描いた絵巻。長さが528センチある)』みたいだ!」「英文解釈の最終問題は6問もあった。江蘇省の受験生は、みんな勇敢なる兵士だ!」

 高考史上最大規模といわれるカンニングがある。1997年に広西チワン族自治区で起きたもので、1600人分の答案のうち500以上に、不正の痕跡が見られたのである。受験生の3分の1が、カンニングをしたことになる。試験会場からは、無数のカンニングペーパーが発見され、調査の結果、高校の先生はじめ、試験会場の監督官ですら、この集団カンニングに関わったという。

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