高論卓説

快走続く中国・新エネ車市場 政府主導で競争力強化、日本勢の脅威に (2/3ページ)

中西孝樹

 北京汽車集団のNEV事業の中核にあるのが北汽新能源(BJEV)である。筆者は5月末の中国市場視察において、山東省青島市の郊外に位置する莱西姜山工業園のBJEVの最新鋭EV専用工場を訪れた。

 青島市といえば、青島ビールで有名な港湾に面する文化都市のイメージが先行する。ところが、ここは近代的な製造業やハイテク産業基地として急成長が著しく、中でもEV生産基地として特出している。近い将来、BJEV、上海VW、恒大集団などで100万台以上のEV生産基地を確立する計画を持っている。BJEVは今年4月に第2期工場の操業が始まり35万台のEV専用の生産能力を確立した。第3期が完了すれば60万台のEV生産能力を有する。

 この地に参入するのが不動産大手である恒大集団だ。米国のEV新興メーカーのファラデー・フューチャーを買収し、スウェーデンのEV製造会社のNEVS、オランダのモーター会社などを買収し、EV製造の新勢力を目指す。青島地域へも100億人民元(約1600億円)を投資し、完成車に加え、3電と呼ばれるバッテリー、モーター、インバーターの生産を実施する。青島市は巨大なEVサプライチェーンの基地となるだろう。

 短期的に、NEV市場には逆風が予想される。補助金頼みのNEV市場の改革を中国政府は断行する考えだ。コスト低減に裏付けされた供給型の市場への転換をもくろむ。この結果、19年から20年に向け、NEV補助金は公約通り大幅削減が実施される方向である。厳しい生き残りへの競争を促し、力を持ったNEV製造会社を研鑽(けんさん)し、国際競争力を有する産業へ育成する考えである。短期的に、中国NEV市場の苦悩が聞こえてくる可能性が高い。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus