ジョンソン氏は4日、可決を受け、10月末の離脱に国民の信を問うため、解散総選挙を下院に提案。採決した結果は、賛成298票、反対56票、棄権288票だった。英国では首相の議会解散権行使を制限する「議会任期固定法」により、解散には最低でも英下院の3分の2である434票の賛成票が必要となる。合意なき離脱を阻止する法案を提出した最大野党・労働党から200人以上が棄権するなどして、十分な賛成を得られなかった。
ジョンソン氏は今後も10月末の離脱を実現する策を講じるとみられ、議会との対立は深まりそうだ。
ジョンソン氏は、メイ前首相がEUとまとめた離脱協定案のうち、英領北アイルランドの国境管理問題が解決するまで英国が関税同盟にとどまるとした「安全策」が削除できなければ、合意がなくても10月末に離脱する方針。それまでにEUとの交渉が進むかどうかは不透明な状況で、離脱の着地点が見通せないまま情勢は混沌としてきた。