東商取は2019年3月期まで4年連続で最終赤字に陥った。自己資本比率も低下し続けている。東商取は来年7月、貴金属と農産物、ゴムの商品先物を大阪取引所に移し、エネルギー関連に特化する。それだけに電力先物には、“稼ぎ頭”としての期待がかかる。
サウジアラビアの石油施設攻撃による原油価格高騰の影響で、電力先物の初取引は成立しないことも懸念されたが、17日は無難なスタートを切った。東商取の浜田隆道社長は「長期的に経営を安定させるため、先物取引を使うビジネスはだんだん浸透していくのではないか」と話す。
本上場実現の暁には、東商取は電力先物市場を個人投資家にも開放することを想定する。ただ、大手の電力会社は電力先物に慎重なままで、試験期間中にどれだけ実績を積めるかは未知数だ。(米沢文)