海外情勢

韓国で反日は「ちょっといいこと」 不買運動が続く本当の理由 (2/3ページ)

 周りの視線が怖くて…

 「チケットがとても安いから日本に初めて遊びに行くけど、周りには絶対言えません」。不買運動が最高潮に達していた8月中旬、若い韓国人女性がこう話していたのが印象的だった。

 このご時世に日本旅行に行くのは後ろめたい行為で、旅行写真をネットにアップして自慢するのはもってのほかだという。

 友人らとのグループ旅行ならなおさらで、一人が「いま、日本に行くのはちょっとね…」と言い出すと、日本は旅行先から確実に外される。

 日本が輸出管理を厳格化した後に行われた世論調査では「日本製品を買うことがはばかられる」との回答が80%に上り、調査会社は、周囲の目を意識して購入を控える人もいると分析した。高校生を対象にした別の調査では、78・2%が不買運動に賛同したが、興味深いのは、そのうち約3割が「周りの視線が気になるため、日本製品をそっと購入して使う」と答えていたことだ。

 韓国では「ヌンチ」という言葉がよく使われる。ヌンは目のことで、他人の視線や顔色を素早く読み取って振る舞うことを「ヌンチが速い」(気が利く)といって上手に社会を生きる能力とみなされる。皆がすき好んで不買をしているというより、ヌンチが怖く、大手を振って日本製品を手にできない事情も大きい。

 省庁が集中する中部の世宗(セジョン)市では、公務員らが周囲から何か言われるのを嫌って日本料理店に行くのを避ける現象がある。ファンが命のプロ野球も同じだ。韓国の10球団全てが日本での秋季キャンプを見送った。昨年は8球団が沖縄や宮崎をキャンプ地に選んだが、ファンからの批判というリスクは負えなかったようだ。

 日本製品購入が「後ろめたいこと」と認識される半面、若者を中心に不買運動は「ちょっといいこと」ともみなされている。

 韓国で優先的な価値とされる「愛国」を行動で示すこととみられ、日本の措置後、ネットで流行した「独立運動はできなくても不買運動はする」という文言がそれをよく表している。

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