論風

日米貿易交渉の合意は打撃 国内農業、世界視野に再構築を (2/2ページ)

 コメには「マラチオン」という農薬の残留規制があり、米国は日本の80倍(日本の0.1ppmに対し米国は8ppm)という点からも到底日本が簡単に受け入れるべきものではない。

 これに加え、食料安全保障という極めて重要な視点も、ないがしろにされた。総論では、国内農業の経営環境が厳しいことに間違いない。

 国内志向から転換必要

 しかしそれでも各論では、もうかっている力強い農業者も多く存在する。国内農業政策いかんに関わらず、農業そのものの価値が毀損(きそん)しているわけではない。長期的視点に立ち、過去の業界常識から脱却し、未来に向けて、新たな農業を構築すべき時代の幕開けだ。日本ラグビーのように、農業も、これまでの国内志向から、世界的プレーヤーになるべき転換点を迎えた。

 もちろん、輸出も強化しなければならない。いま何をすべきか。

 品目再選定、規模の見直し、販路見直しなどビジネスモデルを再構築し、自己責任で政治や環境に翻弄されない、自立した経営を目指さなければならない。一人で無理なら、仲間と連携すればよい。一次産業はビジネスチャンスも社会的価値も豊富に内在しているのだから。

【プロフィル】鈴木誠

 すずき・まこと 慶大商卒、1988年東洋信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)入社。ベンチャー投融資担当などを経て98年退社、2001年日本ブランド農業事業協同組合事務局長、03年3月ナチュラルアート設立。農業経営・地域経済活性化・店舗運営・食育プロデューサー。八戸学院大学客員教授。52歳。青森県出身。

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