ただ、ワクチン接種では「風評被害」による経済損失が危惧される。「ワクチン接種は子供の予防接種と同じで、接種自体にまったく問題がない」(農水省担当者)が、輸入業者が「海外産豚肉の方が安心」などとセールストークを行う可能性もあるからだ。また、「万が一のこと」などといって、学校給食で採用されなくなる懸念もある。農水省は豚肉を扱う団体に安全性をアピールしていく。
さらに輸出については、これまで欧米は発生している県が限定的だとして、日本産豚肉の受け入れに理解を示していたが、「非清浄国」とされることで、どこまで日本産豚肉を受け入れてくれるか不透明になっている。仮に受け入れられたとしても「輸出の検査工程が増えることで、スピードが鈍ったり、ハードルが高くなったりするのは事実」(農水省幹部)という。
今後は、2国間協議などを通じて、厳格な安全管理態勢が整っている日本では感染豚が流通しないことなどを説明して理解を求めていく。すでに大口輸出先の香港、シンガポール、マカオ、ベトナムなどとは輸出継続で合意している。