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中国・不動産事業のデジタル化が急進 “場”から生まれる付加価値提供 (1/2ページ)

 日本の人口は減少し続け、それとともに国内の不動産事業は縮小する可能性が高い。事実、不動産新築販売はここ数年減少し続けている。また、消費者の価値観・働き方も多様化し、スペースシェアやワーケーションなどが普及しつつある。つまり、不動産事業において、単純な“場”の提供・管理はその価値が低下していく可能性が高く、その“場”から生まれる付加価値を提供するサービス業への転換が求められている。(野村総合研究所・栗山勝宏)

 顔認証で鍵は不要

 このサービス業化に加え、デジタル技術の発展は、不動産業界におけるプレーヤーを変化させつつある。デジタル技術の発展により不動産事業者は必ずしも不動産(資産)を持つ必要がなく、近年は顧客接点やデータを持つ事業者(テック系企業)が不動産業界の主要プレーヤーとして台頭してきている。こうした動きは日本でも進展しているが、とりわけ中国ではテック企業を中心に、不動産事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)・サービス化が急進している。

 中国IT大手のアリババグループは、2018年12月に浙江省杭州市にて「菲住布渇酒店(FlyZoo Hotel)」というホテルをオープンした。このホテルの最大の特徴は、あらゆる認証に顔認証を採用しているところである。

 従来のホテルは、部屋のドアやエレベーターの行き先ボタンのロック解除を行うために、カードキーなどの物理的な鍵を携帯する必要があった。宿泊者は常に、この鍵の紛失や盗難のリスクにさらされてきた。

 このホテルでは、部屋のドアなどに付いているカメラに顔を向けるだけでロックを解除できる。滞在期間中、鍵の紛失や盗難を心配するストレスから解放される体験を、宿泊者に提供している。その他、ロボットによるルームサービス配送や自動チェックインなども実装されており、宿泊者が最先端技術に触れる楽しさも提供している。中国人の宿泊を想定して設計されたチェックイン時のID読み取りや宿泊者向けスマートフォンアプリなどは、外国人にとって使いづらい面が残っているが、宿泊者の大半を占める中国人にとっては、本来の目的である宿泊を享受した上で従来のホテルにはない体験を得ることができる。

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