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全土封鎖のイタリアに悲惨な感染予測 それでも国民は歌声で鼓舞 (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 そうこうするうちに先週後半になって、フランスやスペインでもイタリアと同様の措置が講じられはじめ、およそ1週間の差でイタリアの状況と措置を追っている。不運にもイタリアが欧州での感染先行国になったが、そのため欧州各国は「自分事として」イタリアの試行錯誤のプロセスに注視している。

 3月11日、イタリアの元首相、マッテオ・レンツィがCNNのインタビューに対し「他国はイタリアの過ちを繰り返すな」と語っている。「感染の初期にリスクを過少評価したことで、感染を広げてしまった。欧州の他諸国は何日かの差でイタリアと同じ状況になるはずなので、イタリアのミスを繰りかえさないよう、我々の経験を参考にしてください」と訴えている。

 実は、イタリア政府が3月8日に政令を出したときの判断の根拠となる感染予測データが日刊経済紙「イル・ソーレ・24オーレ」に掲載されている。3月12日の記事である。日が経過すると読めなくなる可能性があるので、記事中のグラフは切り取って画像にして示しておく。これを見ると、前述のレンツィの発言の真意が分かってくる。

 この記事によればイタリア政府の緊急措置は、次の予測に基づいている。

 1、3月18日前後に1日あたりの新しい感染者は4500人になる(3月14日現在で3000人を超えた)。これをピークにじょじょに下降線を辿る。

 2、4月末には新しい感染者はゼロに近づく。

 3、4月末までの合計感染者数は9万2000人。その3~4%が亡くなるとしておよそ3000人が死者数。

 現在までの中国の感染者は8万人で死者がおよそ3000人なので、人口比からみるとイタリアは最悪のパターンになりそうだ。悲惨な予測があるからこそ、今、急劇に感染が増加している他諸国に「イタリアをレッスンの対象とみてくれ」と強調するわけだ。

 そうでないと鎖国政策をとって4月末に事態が落ち着いたとしても、近隣諸国が渦中にある限り、普段のリズムに戻れない。各国が「あそこの国の措置は悪い」と批判し合っているタイミングではないのである。

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