国内

閉局相次いだ地方ラジオ局 覇者だった「電波メディア」に変化の始まりか? (2/2ページ)

 また、22年にインターネットでラジオ番組が聞ける「radiko(ラジコ)」がサービスを開始。放送域内のラジオはもちろんだが、全国のラジオも有料で聞けるようになったことで、以前よりも各局のコンテンツ力が試されるようになった。それまで、電波が届くその地域内での競争だったものが、ネット上では全国横並びでの競争となるからだ。

 首都圏のキー局に比べて資金力に乏しい地方局にとっては、一層厳しい経営環境となっている。

 問い直される役割

 総務省の統計によれば、各ラジオ局の放送地域を限定するという放送法の制度もあり、全国に約100局の民間ラジオ局(放送エリアが狭いコミュニティー放送局を除く)が存在する。メディア文化評論家の碓井広義氏はこの100局について「今となっては多過ぎる」と指摘する。「ネットメディアの台頭もあり、(言論の多様性の確保を目的とした)マスメディア集中排除原則は緩和されつつある。今後、ラジオ局の統廃合が進むだろう」と話す。

 相次いだ閉局は変化の予兆に過ぎない。「今後、広告収入だけのビジネスモデルでは限界がくる」として、「新たな収入源の模索と並んで、ラジオならではの魅力や果たすべき役割について、もう一度考えていく必要がある」と話した。

 ネットの台頭による地方局の苦境は、テレビが置かれた状況も相似形の可能性が高い。長く覇者だった電波メディアの変化は始まったばかりだ。

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