論風

菅新政権の課題 エネルギー政策の正常化を 社会保障経済研究所代表・石川和男 (3/3ページ)

 ◆利点多い原子力

 原子力は桁違いの発電効率を誇り、CO2を排出しないクリーンな電源。既設の原発は日本全国にあるが、安倍前政権は再稼働への指導力を発揮してこなかった。ベースロード電源である石炭火力は休廃止、多大なコスト負担を消費者に背負わせながら人為的にコントロールできない高コストで不安定な再エネの導入を急速に進めてきた。

 再エネの不安定性を克服していくには蓄電システムの普及が肝要だが、まだまだ時間が必要。

 近年のエネルギー報道は「脱〇〇」「地球温暖化防止」など歯が浮く言葉だけが飛び交っている。だが本来は、数学・工学的な知見から判断すべき事柄のはず。

 菅政権には、これまで以上に積極的にエネルギー・環境政策について議論してもらいたい。安価で安定的、かつ環境にも配慮される既設原発のフル活用による「原子力正常化」と既設原発収益を財源とした再エネ振興を実現することが、結局は最も効果的だ。

                  ◇

【プロフィル】石川和男

 いしかわ・かずお 東大工卒、1989年通商産業省(現経済産業省)入省。各般の経済政策、エネルギー政策、産業政策、消費者政策に携わり、2007年退官。11年9月から現職。他に日本介護ベンチャー協会顧問など。福岡県出身。

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