真山仁の穿った眼

イーロン・マスクやジェフ・ベゾスのような“夢を実現する経営者”を生むために (1/2ページ)

真山仁
真山仁

 アメリカ人の強さの秘密

 あなたに夢はありますか。それを実現するために、何をしましたか。

 あるいは、子供の頃の夢を実現しようと、努力したことはありますか。

 いやいや夢を実現しようなんて、ナンセンス。現実を見据え、今の社会でどうすれば、ほどほどに生きていけるかを考えるのが、大人じゃないか。

 そんな風に考えている人が多いのだろう。

 だから日本はダメなんだ、と顰蹙(ひんしゅく)を買うのを承知で申し上げたい。

 確かに、夢を実現するのは、難しい。

 でも、それに挑むことは誰にでもできる。大切なのは、必死で夢を追いかける過程で、己を知ることだ。そういう経験をすると、夢に破れても、充実した人生を送れる。なぜならきっとまた、自分の人生を楽しむために、何かに挑もうとするからだ。

 そして、可能性のある若い世代を後押ししようとするだろう。

 今の日本は、高齢者が既得権にしがみつき(今の政権が、良い例だ)、若者に挑戦する機会を与えない。若者も、無理をして挑戦などせず、賢く金儲けして、細やかな享楽を楽しめばいいと考えている人が、明らかに増えている。

 全ては、夢を追うという情熱を失ったのが原因ではないだろうか。

 バブルが弾け、停滞と下降しかない時代にそんな発言は時代錯誤だと、若い人に反論されることが多い。まだチャンスがあった40代、50代の現役世代が挑戦をせず、若者にお手本を見せられなかったくせに、と続く。

 そうかも知れない。

 だが、他人が出来なかったことを、自分が挑まない理由にすべきではない。

 たとえば、海の向こう、アメリカを見て欲しい。

 さまざまな浮き沈みを繰り返しながらも、世界一の国家を維持している。

 なぜだろうか。経済や軍事で他の追随を許さない大国であるから、というのは考えが浅い。

 それを言えば、東ローマ帝国やオスマントルコ帝国だって、巨大国家だった。だが、いずれも滅びたではないか。

 過去に何度か小説の取材で、アメリカ人の強さの秘密を探った。

 彼らの話を聞いていて、日本と明らかに異なると感じた点がある。それは、強欲なまでに夢を追いかける姿勢と、それを肯定する社会の有り様だ。もっといえば、アメリカンドリームを手に入れるために必死になれない人は、その業界や分野から退場させられ、新たな挑戦者が、夢を追う。その繰り返しの中で、突出した成功者が生まれるのだ。

 その好例が、テスラモータースやスペースXの創設者であるイーロン・マスクであり、Amazonという店舗を持たない巨大書店で世界に君臨したジェフ・ベゾスだろう。

 彼らは、ビジネスマンとして大成功したが、単に金持ちになりたくて頑張ったのではない。自分の夢を実現するために、会社を興したり金儲けをしたりしたのだ。

 マスクは、元々南アフリカ人で、ネットショッピング・ビジネスで成功し、そこで得た資金を元に、スペースXを創設した。ここからが、彼の夢を実現するための挑戦なのだ。その夢とは、「火星の地球化」だ。若い頃に彼は、地球はいずれ温暖化などで破滅する、だから火星に移住しなければならないと思ったそうだ。そしてそのために、自分で民間宇宙ロケット開発企業「スペースX」を設立したのだ。

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