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ドコモ、LTE通話対応のスマホ発売へ 通信各社追随で料金競争突入か
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NTTドコモ社長の加藤薫氏 NTTドコモは13日、携帯電話の高速通信規格「LTE」で音声通話もできるスマートフォン(高機能携帯電話)を、2013年度内にも発売する方針を明らかにした。現在のデータ通信専用のLTE回線は周波数の利用効率が最大3倍向上するため、音声通話でも利用できれば、ネットワーク設備の簡略化が可能になる。大幅な通話料の引き下げにも道を開く技術で、通信各社の追随で料金競争に火が付く可能性も出てきた。
同じ電話番号で通信事業者を変更できる番号持ち運び制度(MNP)導入以来、ドコモから他事業者への流出は約360万件と苦戦を強いられている。ドコモは新サービスの先行投入で、反転攻勢を狙う。
ドコモは10年12月から、高速データ通信用にLTEサービス「Xi(クロッシィ)」の提供を開始。音声通話は従来の第3世代携帯電話(3G)「FOMA(フォーマ)」の回線を併用している。LTE回線を利用した音声通話については、総務省が今年度末までに技術基準を省令として公布する見通し。
ドコモのLTEサービスの人口カバー率は11年度末で首都圏や県庁所在地など30%だが、12年度に70%、14年度には基地局2万1000局を設置し、98%とほぼ全国をカバーする計画。
ドコモは、LTEの本格展開への分岐点を人口カバー率70%以上とみており、LTE環境に音声通話を追加することで、FOMAからXiへの移行を加速させたい考えだ。そのためにも、音声通話用端末をできるだけ早めに投入する方針で、13年度中の対応スマホ発売を目指している。
現在、ドコモとイー・アクセスがLTEサービスを提供しているが、KDDIやソフトバンクモバイルも将来はLTE対応音声通話を導入する方針。
音声通話は、現状の3G回線では「回線交換方式」と呼び、通話中は1本の回線を占有する仕組み。LTE規格では音声もデータを小包のようにひとかたまりで送信して受信側で音声に再生する方式のため、回線利用効率が向上するとともに、事業者間で支払う接続料も低下する見通し。高止まりといわれる携帯電話の通話料金が大幅に引き下げされる可能性がある。
通信事業者は「LTE対応音声通話では定額制も導入しやすい」(KDDI幹部)とみており、ドコモも新端末投入と同時に音声通話の料金プランを見直す可能性が高い。(大坪玲央)