【クルマ人】「レガシィ」伝説刻む走行性能 “全性能進化”は伊達じゃない!
2012.7.15 07:00更新
富士重工業は、主力車「レガシィ」を一部改良して、5月8日に発売した。2009年に5代目となる現行レガシィを投入。すでに2回の改良を実施しているなかで、3年目の今回は大がかりなものとなった。特に欧州車を中心に、走行性能を維持しながら、燃費性能の向上を図る「ダウンサイジングターボ」を取り入れた「2・0GT DIT」の設定が注目を集めている。「フルモデルチェンジ(全面改良)といってもいいぐらいの規模の改良」というスバル商品企画本部の熊谷泰典プロジェクトゼネラルマネージャー(PGM)に聞いた。
「09年に投入したのち、10年の年次改良で(衝突防止などの安全運転支援システムの)『アイサイト』を設定した。11年は『ビームス』コラボモデルの投入など、小幅な改良。これに対し、3年目となる今回は、『全性能進化』を大きなコンセプトに、デザインや走りなどで、大幅な商品力向上で、フルモデルチェンジといっていいほどだ」
「まずはデザイン。5代目については、正面からみると、つり目で、口元が笑っていて、鼻がつぶれているといったフロントデザインへの批判があった。レガシィに対する期待は、スポーティー。これに対して、デザイン面では、評判がよくなかった。それを意識して、フロントデザインをやり直した。昨年全面改良した『インプレッサ』で導入した六角形の『ヘキサゴングリル』と、ヘッドライト内の『コ』字型モチーフを導入し、水平を基調にして、低重心デザインに変更した。また、バンパー形状を見直してフロントノーズは立体感を出した」
「乗り込んだときに、すぐに変わったということを実感してもらえるように改良した。センターパネルまわりにシルバーを使っていたが、『プラスチックぽくて』と評判がよくなかった。これをダークメタリックに変え、質感をあげた。メーターまわりも回転計とスピードメーターの間に、3・5インチの大型カラー液晶を採用した。9割がアイサイトを搭載している中で、アイサイトの作動状況が一目でわかるようにしたほか、燃費消費なども表示している」
「新開発の2000ccの水平対向直噴型のエンジン『DIT(ダイレクト・インジェクション・ターボ)』は、300馬力で、既存の2500ccのターボエンジンの285馬力を上回っている。その上、燃費性能は20%向上して、JC08モードでガソリン1リットル当たり12・4キロとなっている。排気量をダウンサイジングすることで燃費性能を上げ、直噴方式やターボによる過給で、パワーアップして、高出力と環境性能を両立させている。レガシィのフラッグシップ車種となる」
「確かに同じサイズで、よくそういったことを聞かれるが、新開発エンジンだ。BRZは燃料をポート噴射と筒内噴射の両方を使っている。レガシィについては筒内噴射のみで異なる方式を採用している」
「改善の狙いは中低速トルクの改善を図った。最高出力は従来の170馬力に対して、173馬力と、さほど大きくしてはいない。だが、実際にはよく使う中低速で、トルクを太らした。ドライバーがポンとアクセルを踏んだら、車がスッとでるような感覚になっている。それにアイドリングストップ機構を追加したことで、リッター14・4キロと、大幅に燃費性能は上げている」
「エンジンなどパワートレインが強くなった中で、足回りも強化している。サスペンションと車体の取り付け部分の改善は相当なレベルで取り組んでいる。車体はフロントフレームを強化し、リアも横剛性をあげている。スタビライザーについては径を太くして効きを良くし、細かな凹凸は吸収する。その上、内輪の設置性も上がっているので、コーナーでのロールも抑えている」
「作動の余力や認識範囲の拡大などの改良に加え、クルーズコントロールの車速設定が、従来は時速5キロ刻みだったのを1キロ刻みに改善。追従走行の際に、横から遅い車が入ってくる場合があるが、そのときの減速の応答性能を上げている。また、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合には、アクセルを絞って、ブレーキを効かせる『ブレーキ・オーバー・ライド』なども装備している」