【クルマ人】なぜ1人乗り電動車を作ったのか ホンダ「ユニカブ」が描く夢
2012.5.27 07:00更新
二足歩行型ロボット「ASIMO(アシモ)」などロボット研究に取り組むホンダが新しい形の1人乗り電動1輪車「UNI-CUB(ユニカブ)」を公開した。6月から日本科学未来館(東京都江東区)と共同で実証実験を始め、将来的には空港や商業施設などでの利用を目指す。本田技術研究所二輪R&Dセンターの開発責任者、末田健一さんに夢あふれる“未来の乗り物”の開発秘話を聞いた。
--そもそもなぜ、1人乗り電動車を作ったのか。また開発はいつから始めたのか
「平成元年に社内で行ったコンテストで1人乗り1輪車などが出てきたのがきっかけだった。四輪車、二輪車だけでなく駐車場で車から降りた後のパーソナルモビリティーも考えるべきだという声があり、その後も開発を進めた。21年には『U3-X』を発表。ユニカブはU3-Xの技術をベースに進化した」
--ユニカブの特徴は
「ユニカブに腰掛け、身体を傾けるだけで速度の調整や方向転換ができ、両手が空いた状態で簡単に操作できるのが特徴だ。高さ74.5センチ、横幅34.5センチで両足の間に収まるコンパクトなサイズで、すぐに足がつけるのも(立ち乗り式電動二輪車の)セグウェイとはまったく違う」
--操作面での改善点は
「アシモにも使われているバランス制御技術などを応用するとともに、後部に旋回用車輪を付けることで、前後移動だけでなく真横や斜めなどさまざまな方向に動いたり、回転したりできる」
--試作機ではジョイスティック(操作するためのレバー)があったが、なぜなくしたのか
「人が行き交う空間との親和性を高めるためだ。周囲の人とすれ違っても危険がないようにした。ジョイスティックの代わりとして、スマートフォン(高機能携帯電話)などのタッチパネルでの操作も可能にした」
--どのような場所でどのような使われ方を想定しているか
「空港や図書館、博物館など徒歩で長距離の移動が必要な場所で、屋内での使用を想定している」
--6月に始まる日本科学未来館との共同実証実験では具体的にどのようなことをするのか
「まず科学コミュニケーター(説明員)に実際に乗って実演をしてもらったり、館内巡回に使ったりということを考えている。社会的な認知を得ながら、どういう使い方ができ、どんなニーズがあるかを見極め、新しい使い方を探っていきたい」
--将来の実用化の道筋は
「来年3月まで実証実験を行うが、その後の実用化の時期は決定していない。価格も現時点では申し上げられないが、むしろ実際に使ってみたみなさんに決めてもらえれば」