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日本のホワイトハッカー人材不足 サイバー攻撃多発、抜本対策が急務

ニュースカテゴリ:企業の情報通信

日本のホワイトハッカー人材不足 サイバー攻撃多発、抜本対策が急務

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日本が中国からサイバー攻撃を受けた件数  官公庁や企業のウェブサイト、サーバーへのサイバー攻撃が急増する中、高度なネットワーク技術を持つコンピューター専門家「ホワイトハッカー」の不足が懸念されている。国内最大のサイバーセキュリティー企業、ラック(東京)によると、同社が雇うホワイトハッカーの出動件数が今年は2008年比約3.4倍の250件に上る見通し。ハッカーの重要性が高まる一方、日本では絶対的に人材が不足しており、政府や企業は抜本的な対策が求められる。

 満州事変の発端になった柳条湖事件の発生日である9月18日。ラックでは、中国から日本へのサイバー攻撃は例年の約3倍となる1300件を超え、同社も当日、中国のサイバー攻撃の対応に追われた。

 20~30代を中心に約300人のホワイトハッカーを雇うラックは、サイバー攻撃を受けた国や企業の要請を、24時間体制で受け付ける「サイバー救急センター」を運営。ホワイトハッカーの出動件数は、08年が73件だったのに対し、今年は9月末現在で172件にのぼり、年内には250件に達すると予想されている。

 同センターはサイバー攻撃を受けた被害者の“駆け込み寺”で、ホワイトハッカーは、システム復旧のため、漏洩(ろうえい)した情報の特定や不正アクセスによる侵入痕跡に奔走する。

 同時に、契約する600を超える国の機関や企業のシステムがサイバー攻撃を受けていないかも監視する。

 情報セキュリティー企業のネットエージェントは、サイバー攻撃を受けた企業の情報流出・漏洩の原因究明などをビジネスにしており、1カ月に5~10件の要請があるという。

 杉浦隆幸社長は「サイバー攻撃を受けても企業側が意外と気付かなかったり、業者に相談せず社内で隠してしまうことが少なくない」と話し、サイバー攻撃は表面化している件数以上に多いことを示唆する。

 近年、三菱重工業や川崎重工業などがサイバー攻撃を受けており、企業も警戒感を強め、ホワイトハッカーに対する関心は高まっている。

 ただ、欧米に比べ日本では人材が十分に育っておらず、約20人のホワイトハッカーを雇うサイバーディフェンス研究所(東京)の小林真悟社長は「人材不足が顕在化しつつある」と危機感を隠せない。

 防衛省がホワイトハッカーの採用を検討するなど国は対策を講じているが、企業の間でも同様の動きがあり、ホワイトハッカーの争奪戦が今後起きる恐れもある。安全保障に詳しい慶応大学の土屋大洋教授(情報政策論)は「ハッカーとして大成するには20代からの訓練が必要で、能力を育てる国の対策がまだ不十分」と指摘している。

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