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スマホ充電商戦に息巻くメーカー ワイヤレス「Qi」対応機器に注目
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スマートフォン(高機能携帯電話)向け充電機器の商戦が好調だ。中でも、国際標準規格「Qi(チー)」に対応し、電源コードにつなげずに専用パッドの上に置くだけで充電できる「ワイヤレス給電」を活用した関連機器が注目されている。メーカー各社は「世界規模での普及を目指したい」と息巻いている。
チーは、電子機器と充電パッドの双方に内蔵したコイルの間に、磁気を発生させて送電する仕組み。製品ごとに異なる専用充電器やコードがいらないため、廃棄物を減らせるメリットもある。
TDKは9月、台湾工場で、ワイヤレス給電用のコイルユニットの生産を開始した。スマホの本体に組み込む受電用コイルの厚さは業界最薄クラスの0.52ミリで、出力電流は0.7アンペア。来年には、0.5ミリの製品を量産する予定という。
同社は「薄いだけでなく、充電時間も短縮できる」と需要増を見込む。当面は月産50万個を計画している。
パナソニックは5月、携帯端末向け補助電源の商品ラインアップを拡充し、ワイヤレス給電式を含む「USBモバイル電源」シリーズを展開している。従来製品は、昨年5月の発売から約1年間で約20万個を販売したが、新シリーズは発売から約4カ月間で倍のペースで売れているという。
一方、NTTドコモは昨年、世界で初めてチー対応のスマホを「おくだけ充電」として発売した。充電用の端子を隠せるため、すっきりとしたデザインが好評という。
調査会社のMM総研によると、スマホの国内出荷台数は、12年度の2790万台から、16年度には3500万台に拡大する見通し。空港のラウンジやカフェ、コンビニエンスストアなど、チーに対応した充電設備の導入も進んできた。
動画や音楽など、スマホのデータ通信量の増加とともに、電池の消耗に頭を抱える人も多いだけに、こうした充電機器の関連商戦は今後、一段と熱を帯びそうだ。(米沢文)