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「Ponta」目に見える効果 早くも会員5000万人突破

ニュースカテゴリ:企業の経営

「Ponta」目に見える効果 早くも会員5000万人突破

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Pontaカードを活用する企業はますます増えている=東京都渋谷区のケンタッキーフライドチキン恵比寿駅前店  ロイヤリティ マーケティング(東京都渋谷区)が展開する共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」の会員が5000万人を突破した。

 創業時は3年後3000万人の会員獲得を目標に掲げていたが、サービス開始からわずか2年9カ月で目標を上回る5000万人を達成した。提携企業では、ポイントを目当てにした顧客増による売上高の向上や、マーケティング戦略に有用なCRM(顧客関係管理)の実現など、目に見える“Ponta効果”が表れている。

 CRMの精度向上に一役

 東京都渋谷区のケンタッキーフライドチキン恵比寿駅前店。店のカウンターでは、ランチのために購入したセットメニューの支払い時にPontaカードを店員に手渡す姿が目に入る。

 Pontaは、ポイントをためたり、ポイントを使って買い物できる仕組み。さらに、ケンタッキーの店舗だけでなく、コンビニエンスストアのローソンやレンタルビデオ店のゲオ、ガソリンスタンドを展開する昭和シェル石油など約60の提携企業でポイントサービスを活用できるのが特徴だ。

 Pontaを導入して1年半になる日本ケンタッキー・フライド・チキンの嶋崎俊一取締役執行役員常務は「お客さまの購買行動をどう把握するか。つまり、一人一人の顔が見えるマーケティングが実現できつつある」とPonta効果に絶大な期待を寄せる。

 CRMを活用したマーケティング戦略の導入は日本国内でフライドチキン事業を展開して以来、約40年来の課題だったが、自社単独でシステムを構築するには投資額が大きすぎる。そこに、同じ三菱商事系のロイヤリティ マーケティングが共通ポイントサービス事業に乗り出したのを知り、その動きに賛同した。

 Pontaを活用したCRMの導入で、キャンペーンの戦略は大きく変わることが期待される。これまでは、大衆に向けて、同じクーポンを配る戦略が主流だったが、「お客さまの特性によって、違うサービスを提供することが可能になり、キャンペーンの投資効率の改善が期待できる」(嶋崎氏)わけだ。CRMの精度がさらに高まれば、「お客さまの喜ぶ商品やサービスが、これまで以上に提供しやすくなる」(嶋崎氏)という。

 提携各社とPR活動協力

 ビジネスホテルやリゾートホテルを全国展開するルートインホテルズ(東京都品川区)も、Ponta提携企業の一つだ。Ponta加盟効果は2011年3月期決算から表れ始め、12年3月期まで売上高・経常利益ともに増収・増益を続けている。

 同社はもともと、自社単独のポイントカードを展開し、65万人の会員を保有していた。しかし、10年秋、ロイヤリティ マーケティングから誘いを受け、共通ポイントカード「Ponta」への乗り換えを決断した。

 永山泰樹社長は「業種の枠を超えて、ポイントカードを共通化することは、利用客にとって利便性が上がるし、当社にとっても、提携各社と協力したPR活動が展開できるなどメリットが大きい。資本関係がなくても、まるでグループ会社になったような良好な関係が生まれる」と話す。

 同社が与えるポイントは、100円に付き3ポイント。2~3泊すれば、ローソンでちょっとした弁当が購入できるほどのポイントが付く計算で、利用者へのメリットも見逃せない。

 さらに、Pontaのポイントが付くホテルということで、ネームバリューがアップする効果にも期待を寄せる。永山社長は「これまでルートインホテルズを利用したことのないお客さまにもブランド力を訴えることが可能。ホテルのメジャー化を目指す当社にとってPontaはその原動力となり得る」と力を込める。

 同社は、店頭のぼりや懸垂幕などの販促ツールを駆使して、キャラクターとしてのPontaの普及にも力を入れる。「ちょっとおっちょこちょいだが、家族思いの優しいタヌキ」というPontaの設定に、永山社長自身が愛着を持っているという。最近、観光ホテルなどでキャラクターをあしらった特別ルームが流行しているが、永山社長は「Pontaルームを設けることも、真剣に考えたい」と話している。

 豊富なデータで一貫支援

 ロイヤリティ マーケティングによると、このほかにも、ローソンではカード会員の購入データの分析をもとに、地域の顧客の嗜好や年齢、性別に合わせた商品の開発に取り組んでいる。

 また、昭和シェル石油では購買データの分析により、Ponta導入の効果と、のぼりなどを使った店頭告知の有効性を証明するなど、提携企業の多くが、Ponta効果を実感しているという。

 ロイヤリティ マーケティングの長谷川剛社長兼CEO(最高経営責任者)は「店舗を持たず、顧客のマーケティング支援などの『Ponta』のオペレーションに徹することで、提携企業のさらなる売上高の拡大への貢献を目指す」と意気込む。

 具体的には、5000万人を突破した、日本最大の会員数を誇るPontaのデータと、多様な提携企業の購買データ(POSデータ)から導き出されるデータをもとに、現状分析から戦略の策定、プロモーションの企画・実施、結果検証までを一貫して行い、顧客企業のニーズに対応している。

 長谷川社長「財布の中で最強の存在目指す」

 ロイヤリティ マーケティングの長谷川剛社長兼CEO(最高経営責任者)に、Pontaカードの今後の戦略などを聞いた。

 --5000万人の会員獲得の意義は

 「当社の最大の目標は、提携企業の売り上げ拡大にどう貢献していくかだが、その意味でも、会員数は多ければ多いほど良い。しかし、単に数が多いだけではなく、利用頻度の多さや金額の高さなど、アクティブなユーザーをどれだけ囲い込めているかが重要になる。会員数の拡大と会員の優良化がPontaの価値を高めると考えている」

 --どうすればよいのか

 「Pontaが多くの利用者に愛される最強のカードになるには、おトクであること、便利であること、楽しい(Pontaならでは)の3点の要素の実現が大切だ。そのためには、提携企業のビジネス面での取り組みをサポートしたり、スマートフォン(高機能携帯電話)を活用したサービスを実現するインフラを整えることやPontaのキャラクターをさらに積極的に活用することが重要になってくる」

 --競合カードとの競争をどう勝ち抜くのか

 「財布のなかには、共通ポイントカードを含め、さまざまなカードであふれている。複数のカードを保有していることは珍しくなく、財布の中で、一番いいポジションを取れるように頑張るしかない。サービスを充実させ、利用者になくてはならない存在になりたい」(小島清利)

【会社概要】ロイヤリティ マーケティング

【設立】2008年12月1日

【本社】東京都渋谷区東3丁目13番11号フロンティア恵比寿5F

【資本金】2億5000万円、資本準備金 2億5000万円

【従業員数】114人(12年11月時点)

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