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国内自動車、レース回帰の動き 日産、F1強豪の冠スポンサーに
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F1「レッドブル・レーシング」の車体に刷り込まれたインフィニティのロゴ
国内自動車各社が、業績悪化で一時撤退したモータースポーツへの取り組みを復活、強化している。
高級車ブランド「インフィニティ」を運営する日産自動車のインフィニティグローバル社(香港)が2013年からF1チームの冠スポンサーとなることを決め、トヨタとマツダは仏ルマンなど世界的レースへの関与を強化。いずれも新興国を中心に海外での拡販に向け、ブランドの浸透を図るのが狙いだ。
インフィニティが冠スポンサーに就くチームは「レッドブル・レーシング」(オーストリア)。日産と資本提携するルノーがエンジン供給する強豪だ。
インフィニティは2011年からレッドブルのスポンサーだったが、契約更新を機に16年まで4年間、チーム名にブランド名をつけられる冠スポンサーになることを決めた。来季からのチーム名は「インフィニティ・レッドブル・レーシング」となり、日産は宣伝効果が飛躍的に高まるとみている。
日産は、インフィニティの年間販売を16年までに現行の約3倍の50万台に伸ばす目標を掲げているが、11年実績で約360万台と世界4位の市場規模を誇るブラジルなどでは知名度が低い。モータースポーツ人気が高いブラジルの攻略には、F1活動の強化が効果的と判断した。
08年秋のリーマン・ショック後、ホンダやトヨタ自動車が参戦していたF1から相次いで撤退。三菱自動車もダカール・ラリー出場をやめるなど、国内自動車各社ではレース活動を縮小させていた。
しかし今年に入って、トヨタがフランスの24時間耐久レース「ルマン」に13年ぶりに参戦。大会初となるハイブリッド車(HV)で疾走し、話題をさらった。
13年はマツダも21年ぶりに仏ルマンに復帰し、出場チームに自社製ディーゼルエンジンを提供する。
マツダは15年度までに世界販売台数を約3割増の170万台に引き上げる目標に向け、「ルマンを通じ低燃費技術『スカイアクティブ』の知名度を広げたい」と意気込む。トヨタも欧州での拡販につなげたい考えだ。(山沢義徳)